認定NPO法人なんとかなるでは、児童福祉施設(児童養護施設など)や司法関連施設(少年院や刑務所など)を出た若者に、「住まい・仕事・学び」を3点セットで提供する直接的な支援活動のほか、様々な発信を通じて課題への理解や関心を高める取り組みなどを行なっています。

児童福祉施設退去者支援事業
司法関連施設出身者支援事業
広報誌

児童福祉施設退去者支援事業

学校を出ると児童養護施設や一時保護所などは、原則として退所しなければいけません。

けれども、例えば高校を中退して家に戻ることができない場合、どのように住まいや仕事を見つければいいか、想像もつきません。 そういうところにつけ込んで、ひょっとしたら反社会・裏社会の人たちが手をこまねいてるのかもしれません。

そもそも児童養護施設とは、元は孤児院と呼ばれる施設でしたが、今では虐待が直接的な原因で親元を離れて暮らすことを余儀なくされた子どもが6割以上を占めます。施設を出た後も親元に戻れない場合には、児童福祉法に基づいた「自立援助ホーム」という施設がその受け皿になります。

しかし、この施設は、全国で274箇所しか存在しません。(2023年6月現在・全国自立援助ホーム協議会に加盟しているホームの数)

その結果、児童養護施設等を退所した若者は、住まいを自分ひとりで探さなければなりませんでした。保証人や敷金礼金の準備など、多くの課題を抱えながらの住まい探しです。

さらに仕事も同時に探すケースがほとんどで、その困難さは計り知れません。しかし 、2018年横須賀市では、この自立援助ホームの設置が決定しました。それが、NPO法人なんとかなるで運営している「なんとかなり荘」です。

施設を出て家に戻れない若者が「ただいま」と言ったら「おかえり」が返ってくる、「夜ご飯は?」と聞かれれば、湯気の立つ食事が用意されている、、、そんな当たり前を提供したい! という一心で、1年365日、当直のスタッフがいる環境を作っています。

自立援助ホーム当事者の声

当事者の方からのメッセージをご紹介します。

Aさん

約10ヶ月お世話になりました!!ありがとうございました!
私は昨年の○月○日に入所してきて
自立援助ホームでたくさん学ばせていただきました!!
自分はあんまり成長してないと思ってたんですけど
たくさんのスタッフさんがほめてくれて
嬉しかったです。

これからいく所は一人暮らしなので、
ここで学んだことを忘れず過ごしていきたいと思います。
仕事探してくれてありがとうございました!!
けっきょく仕事しないまま過ごしちゃったけど
たのしかったです。
病院のつきそいありがとうございました!!
○○○○に行ってもなんとかなり荘で過ごしたことを
忘れません!
慣れてきたら一回顔だします!!
それまで体調管理、ケガには気をつけて過ごしてください!!

今まで本当にありがとうございました!!

2年以上前に「なり荘」を退荘したAさんが「なり荘」にドーナツの手土産を持参し訪ねてくれました!

Bさん

「あの頃は世の中の誰も信じられなかった。何も考えられなかったし。いつもイライラしていた。
周りの人がうらやましかった。その場でありがとう!っとは言えなかったけど、誕生日に「なり荘」から大きなケーキをプレゼントしてもらった時はとても嬉しかったです。今は、バイトをしながら事務職員の仕事を探しています。お金を貯めます。」

司法関連施設出身者支援事業

少年院や刑務所を出た若者には、自立援助ホームのような福祉の支援は届きません。ですので、食事等を作れるほどの手厚い人員配置はできていませんが、横須賀市内に一つのシェアハウスを運営しています。こまめにNPO法人なんとかなるのスタッフが掃除を兼ねて様子を見に行ったり、自作のお漬物の差し入れをしたり、フードバンクでいただいたお米を届けたり、出来るだけ「見守られている」という感覚を抱いてもらえるように、支援しています。

また、学びの機会として、自分と向き合うためのカウンセリングを学識経験者を交えながら行う取り組みを試行しています。

「リ・チャレンジ」

施設を出た若者が、一般の参加者に向かって、自分の過去を赤裸々に話してもらうイベントを開催しています。過去が現在を決めるのではなくて、目的が現在を決めているんだ、という強い信念を持って、過去と向き合い未来を志向する姿を見せることで、自ずと市民の皆さんにもその熱い想いが伝わります。

勇気や覚悟が必要なことですが、訥々と話す彼らの姿を見ると、こみ上げてくるものが多くて普通に話を聞くことができないほどです。「世間の偏見」にさらされながら、あるいは怯えながら生活している純朴な若者たちの正直な胸の内をぜひ聴きに来てください。

日本財団「職親プロジェクト」

日本財団の「職親プロジェクト」では、少年院出院者や刑務所出所者に就労体験を提供することで、円滑な社会復帰を支援するとともに、再犯率の低下をめざしています。

2016年〜2018年、NPO法人なんとかなるが関東地域の事務局を担当していました。現在も、全国に散らばる「職親企業」と連携しています。

http://shoku-shin.jp/